参加と協働を考えるサロン
             in 井筒屋町造商店


2006年8月9日(水)
19:30〜21:40


 市民や商店主、協働→(による)参加のまちづくり市民研究会、井筒屋町造商店のスタッフとで、約30名の人が集まり、商店街や井筒屋町造商店の将来について話し合いました。今まで、井筒屋町造商店で、このような広がりのあるメンバー構成での話合いをもったことはなく、初めての経験になりました。

 今回のワークショップを開催するにあたって、事前の打合せに、井筒屋町造商店スタッフの成沢さんと広報チームのスタッフが中心に関わりました。通常の協まち研のサロンでは、訪れた先の関係者が話をして、それをもとに意見交換を行うという進め方だそうです。しかし、事前打合せもふまえ、市民や商店の人も参加し、井筒屋町造商店のことばかりではなく、商店街のこともテーマにしてワークショップ形式での開催ということになりました。

 参加者には、事前に次の2つのテーマを考えてきてください、ということになっていました
(1)井筒屋町造商店でこんなことが出来たら良いな
(2)周辺の商店がこんな風になればお買い物したくなるな

 開催前まで20名程度の参加と予定していたのですが、実際には30名以上の参加者が集まりました。事前申込にしてあったものの、人数の確認が正確にできず課題が残りました。ふたを開けてビックリという感じです。井筒屋町造商店の広さからは、30名では少し手狭な感じでしたが、そのぶん参加者の距離が縮まったと言えるかもしれません。
サロンの様子

 協まち研の福田さん、井筒屋町造商店の成沢さんのあいさつ後、進行役(ファシリテーター)は協まち研の橘たかさんが担当してくださいました

●アイスブレーキング
最初に、自己紹介です。自己紹介ののち、見知らぬ参加者たちが知り合って話をしやすい和やかな場をつくるためのアイスブレーキングがしばらく続きました。遅刻して参加するという方が何人かおられたため、少し長めのアイスブレーキングとなりました。
自分の名前を言いつつポーズをとって、その他の人は、同じ名前を復唱しつつ同じポーズをとる/5人程度のグループに分かれ、全員の好きな食べ物、良く行くお店について、早く決まったグループから座るゲーム/また、1列に並んで、井筒屋町造商店に近い順番、また、井筒屋町造商店に足を踏み入れた古い順番に並んだりするようなゲームなどを行いました。けっこう笑い声も聞かれ、場の雰囲気もくつろいだ感じになりました。

●グループでの話し合い
その後、4人程度の7〜8グループに分かれ、下記の3つの内容について、お互いにインタビユーをしあって記録をとることを行いました。最初の2つは宿題のテーマ、3つ目は新たに加わったテーマで「ここの場に参加して、こういうことを聞きたい」です。このグループでの話し合いを通じ、いろいろなかたちでお互いが知り合うこととなりました。

●発表とふりかえり
グループでの話の後、それぞれのグループからお互いの意見を発表しました。ここでは、思いつくままに、主な意見を拾ってみます。
(1)井筒屋町造商店でこんなことが出来たら良いな
・多様な人と人との交流
・新旧住民の交流
・若い人の集まる場
・たまり場
・まちの人と出会える場
・困ったことの相談
・すべての活動が商店街の活性化につながる
・生活情報の発信、カルチャーの発信地
・入りやすく開かれた場であること、誰でも入れるフレンドリーな場
・子どもたちがのびのびと過ごせる場所
・駄菓子屋⇒子どもをつうじて大人が集まる
・職人さんの紹介
・音楽(静かな東洋系の)
・最近のメニューはコンサート中心、ちがうイベントも必要
・焼き鳥のにおいが漂うようなイベント
・PTAとの関係をつくることで地元の主婦との関係をつくることができる
・まちづくりの話し合い
・地元の特産を販売 
サロンの様子

(2)周辺の商店がこんな風になればお買い物したくなるな
・会話のできるお店であること
・人の声、会話が聞こえる商店
・店主の顔が分かる
・商店主の2割の人々が真剣に取り組めば商店街を変えることができる
・一つひとつの店がガンバル!
・商店がなくなっていく,商人魂が必要
・商店街はやる気のある人に店舗をテナントとして貸し出してほしい
・それぞれのお店に自慢の独自の商品があるとよい
・こだわりのある店づくり
・個性的な店(新旧がつながる)
・行田の「足袋蔵ネットワーク」のようになるとよいかな
・子ども、お年寄りが集まれる、遊べるまち
・井筒屋町造商店のすぐそばのインテリア屋さん(吉村家具)のような雰囲気だと入りやすい
・モノを売るだけではなく、安心な通り道
・車の音ばかりだとお店に入りたくなくなる
・歩行者天国
(3)ここの場に参加して、こういうことを聞きたい
・どのような運営をしているのか
・他の地域でのまちづくりの事例
その後、(3)に関連して、井筒屋町造商店の運営についての説明が井筒屋町造商店のスタッフからなされ、他の地域の事例については協まち研のメンバーから話がありました。
このほかにも、なぜ井筒屋町造商店ではボランティアによる運営という難しいことをやっているのか、以前の自主企画では商店街や市民を巻き込むことを意図していたのに、最近はそういう配慮が欠けているのではないか、などの意見もありました。
たしかに井筒や町造商店が動きはじめた昨年は、スタッフの会議が夜11頃深夜に及んだり、手探りをしながら、意見の対立もあったりしながら迷いながらの歩みでした。今でも、迷いながら進んでいます。井筒屋町造商店の活動の原点や初心とは何だったのか?これからどう進もうとしているのか、などについても考えさせられる機会となりました。
人数が多かったこともあり終了は予定時刻を過ぎ21:40頃でした。
ワークショップの後は、20名程度がプロペ通りの居酒屋に行き、さらに懇親を深めました。

ご参加いただいたみなさんに感謝します。ありがとうございました。特に、運営を担当してくださった協まち研のたかさん、福田さんに感謝いたします。今回の経験は、井筒屋町造商店にとって、新たな一歩になると思いますし、そのようにつなげていかなくてはと思っています。(文責:肥沼)

○協まち研の福田さんによるワークショップのまとめ
1.「井筒屋でこんなことが出来たら良いな」
一言で言ってしまえば、“コミュニケーションの場“という意見がほとんどだった。
世代を越えた交流や、情報や文化の発信地、にしたい!なって欲しい!と思っている人がほとんどのようだ。
一方で、敷居が高い、閉鎖的、何のための施設なのか分からない、説明できない、模索中、などなど、暗中模索、試行錯誤をしている現実も見えてくる。
子どもや若者というキーワードが何人かの人から出されている。子ども発、若者発の企画をやって見るのも面白いかもしれない。こども井筒屋とか。。

2.「周辺の商店がこんな風になればお買い物したくなるな」
顔の見える関係、店の個性・こだわり、商人魂などが多く出された。
若者がいない、商店がなくなっていく、経営感覚の問題、など課題もたくさんありそうだ。
高層ビル化していく町並み、自動車で通過する住民、市民の生活と商店のこだわりを、どうマッチングするのか?させるのか!

3.今日のサロンに参加した動機。目的は?
これはみなさんいろんな思いで参加しているんだよね。
けれどみんな、人との出会いに“なにか”を期待して参加していらっしゃったみたいです。
今回の企画が、人との出会いが、不思議な化学変化を起こしてくれることを期待しています。
みなさんありがとうございました。
以上

○協働→(による)参加のまちづくり市民研究会
これまで、自分のまちが抱える課題を、自らが参加することによって解決するための機会や手段を持つことが困難な状況にありました。そうしたなかで今、NPOと自治体の協働のとりくみや自治体への市民参加が、埼玉でも少しずつはじまっています。 協働→(による)参加のまちづくり市民研究会(略して「協まち研」)は、県内のNPO・市民活動実践者、自治体職員、市民が集う研究会です。私たちは、さまざまなまちの課題を市民一人ひとりの参加によって解決していく手法としての協働のあり方を研究・提案することによって、「新しい公共の創造」をめざしています。 webサイトhttp://machiken.org/mk/



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